東京都知事選投開票 蓮舫氏会見

会見

7日投開票された東京都知事選で、無所属新人の前参院議員、蓮舫氏=立憲民主党を離党=は3選を目指した無所属現職の小池百合子氏に敗れることが確実となった。蓮舫氏が選挙に敗れるのは平成16年の参院選初当選以来初めて。都内の会場で敗戦の弁を述べた蓮舫氏は「共産党さんをはじめ、本当に多くの応援の力をもらったことは私の財産だ。思いを心から訴えることができた戦いだった」と17日間の選挙戦を振り返った。次期衆院選出馬など今後の政治活動については「自分の中で都知事選のピリオドを打てていない。何が足りないか、少し考える時間をほしい」と述べるにとどめた。

「全力で訴えたつもりだ。結果として届かなかったのは私の力不足だ」

午後8時15分過ぎ、白の上下のスーツ姿で会場に現れた蓮舫氏がこう述べると、支援者から「そんなことないよ」といった声が飛んだ。

会場には立民の辻元清美代表代行や長妻昭都連会長、蓮舫氏を支援した共産党の小池晃書記局長、山添拓政策委員長ら国会議員のほか、地方議員や支援者らも駆け付けていた。

蓮舫氏が選挙期間中に重きを置いたのが若者支援策の充実だった。蓮舫氏は記者団の取材に応じると「(若者の)奨学金の負担を減らし、不安定雇用から安定雇用にしてほしいという声は大きかった」と述べ、小池氏に対して「ぜひ若い人に視線を向けて、新しい政策を作ってほしい」と訴えた。

一方、公務を理由に一部の候補者討論会を断ったとされる小池氏に対して恨み節も。「私には政策もあるし、経験もある。小池氏が打ち出した政策に対する対案もある」と強調し、「テレビ局から候補者討論会の提案を何度ももらったが、結果として実現できなかった。残念な思いしか残っていない」と批判した。

その上で、小池氏に対しては「明治神宮外苑の再開発を立ち止まってほしいという声や、(朝鮮人犠牲者追悼式に)追悼文を出してほしい、歴史に真摯に向き合ってほしいとの声には、3選もする実力ある現職だから、大きな気持ちで、まっすぐに取り組んでほしい。挑戦者としての私の思いだ」と語った。

今回の選挙戦で小池氏の街頭演説の際にはヤジを飛ばしたり、中傷ビラを掲げたりする一団が現れ、円滑な選挙活動が妨害された状況となっていた。

蓮舫氏は、こうした状況についての考えを問われると、「候補者として自分の思いを届けたいというのは誰も同じだ。それに対して、いろいろ聞こえないかのような行動は…。今後は冷静な対応をとってほしい」と述べ、小池氏が一部の意見を聞かないことに原因があるとの見方を示した。(奥原慎平)

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